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自主学習『「入門書」活用のススメ』社会問題入門

#社会問題

(選書・解説:日本語スタッフ:日本文化学 D3)

大学での学習には、自分から学びにいく姿勢が不可欠ですが、そこで学んだことを自分のためだけに使うのであれば、不十分です。大学で学んだことを、自分以外の誰かのために差し出せるようになってこそ、大学の学びが生きていくといえます。現代日本で苦しんでいる誰かに目を向けていく、きっかけになる本を紹介していきます。

社会から「排除」されてしまう人に目を向ける

「社会人」という表現があります。では「社会人」とはどのような人なのでしょう。「社会人」ではない人とはどのような人なのでしょう。障害を持つ人は、ホームレス状態の人は「社会人」ではないのでしょうか。

さまざまな理由から「社会」の外側へと追いやられている人たちがいます。貧乏だから学校にいけない、障害があるから働けない、女性だから補助的な仕事しかさせてもらえない……。はたしてこれらの理由から、望むところで働けない・いられない人たちは、自分の責任でそうなってしまったのでしょうか。「日本社会」が求める「社会人」の条件から「たまたま」外れていただけなのではないでしょうか。「働けない」その人にではなく、「社会」の側に問題があるのではないかと、考えてみる5冊。

外国人差別とヘイト・スピーチ

日本に住むのは、「日本人」だけではありません。さまざまな外国籍をもつ人たち、いわゆる「ハーフ」と呼ばれる人々、あるいは外国にルーツをもつ「日本人」、あるいは日本に住みながら「日本人」とはみなされない人たち…。その人たちに向けられる差別。なぜ「日本人」とみなさない人たちを差別するのか、何をもって「日本人」とみなす/みなさないのか。なぜ「日本人」であることにこだわるのか。「日本人」の外側に向けられる差別を考える4冊。

    • 樋口直人ほか『ネット右翼とは何か』(中央館配架準備中)

障害者差別と相模原障害者殺傷事件

「障害」とは何なのでしょうか。なぜ個性ではなく「障害」と呼ばれるのでしょうか。「社会」生活を送ることを難しくする要素を「障害」と呼ぶのだとすれば、「社会」が「障害」を作り出しているといえるのではないでしょうか。

そして、「障害者」とはだれなのでしょうか。もし「人間」と「障害者」のあいだに線が引かれているとするならば、それはだれが、なんのために、なんの権利があって、引いてしまっているのでしょうか。私たちは無自覚に「人間」=「健常者」と、極めて狭い範囲で語ってしまってはいないでしょうか。障害とは、障害者とは、人間とは何なのか。2016年におきてしまった相模原障害者施設殺傷事件にも象徴される現代の重要な問題を考えてみる5冊。

    • 結城康博ほか『福祉は「性」とどう向き合うか―障害者・高齢者の恋愛・結婚』(中央館配架準備中)
    • 阿部芳久『障害者排除の論理を超えて―津久井やまゆり園殺傷事件の深層を探る』(中央館配架準備中)

東日本大震災

毎年3月11日に思い出される東日本大震災。もちろん、2011年3月11日に起こったことに思いを馳せることは重要ですが、地震と津波と原発事故の「後」も生活はつづいています。その「後」を生きている人たちがいます。震災「後」に何が起こり、何が問題となり、どのようにそこで人々は生きているのか。そして、そこで生きている人たちのために、文化は何ができるのか。大学での学びと、「被災地」で生きている人たちをつないでいくための5冊。

    • 瀬尾夏美『あわいゆくころ―陸前高田、震災後を生きる』(中央館配架準備中)

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