#研究に使える英語,#Very Short Introductions
(選書・解説:日本語スタッフ:工学 M2)
せっかく英語を学ぶなら,研究に使える英語を!
学問の入り口に最適な入門書シリーズ
展示場所:中央図書館 2階 ライティング関連図書コーナー
なじみのない専門的な言葉を学ぶにあたって,洋書と和書を並行して読むことには特別な意義があります。学術用語には専門家の間で共有された「定訳」があります。意味の通った置き換えができていても,オリジナリティあふれる翻訳は受け入れてもらえません。研究者に通じる言葉で語るためには,領域ごとに決まっている常識的な語彙を,言語ごとに知っている必要があるのです。せっかく英語を学ぶなら,研究に使える英語を!そんな学習の導入に,VSIをおすすめします。
Very Short Introductions (VSI)は,オックスフォード大学出版局が刊行している入門書のシリーズです。大学生の英語学習には,単位取得や資格試験対策のように「必要に迫られて」取り組むケースもありますが,本企画では,ちょっとちがった角度からの英語学習を提案したいと思います。
理系新入生におすすめのVSI原本と和訳本
アトキンス物理化学といえば、化学系の講義を受けた人ならお馴染みの参考書だと思いますが、本書ではその更に入門編として100ページ程度でまとめられています。本書の特徴として、初学者向けに数式がほとんど使われておらず、代わりに図が豊富に使われているため、物理化学の様々な理論のイメージがつかみやすいです。大学の講義での化学が難しくて理解できない、数式を見るのも苦手という方は、本書を読んでみることをおすすめします。
「統計学はもっともエキサイティングな学問分野である」という文言から本書は始まっています。実際、私たちの身の回りではあらゆるところで統計学が用いられているため、その基本原理を理解しておいて損はありません。本書でも、統計学について難しい数式を取り扱わず説明しているため、小難しい理論は抜きで概念的な理解をしたいという方におすすめです。また、統計学は近年発達しているAI技術とも密接に関わっているため、AI技術に興味があるという方にも読んでほしい一冊です。
上記の2冊では数式をほとんど取り扱っていませんが、実際には物理化学も統計学も様々な数学的モデルから成り立っています。本章では、「モデルとは何か」という話に始まり、「抽象化」、「証明」、「無限」、「極限」などについて説明されています。これだけ聞いても難しそうに思えるかもしれませんが、高校数学程度の知識でわかるような内容になっています。また、本の最後には数学者へのよくある質問がまとめられており、こちらは息抜き程度でも読むことができます。
原本と和訳本リスト:中央図書館で配布中です。貸出用を利用する場合は、配置場所と請求記号をリストで確認してください。